ソーシャルリサーチ論・観察法結果2(B課題)

 ソーシャルリサーチ論では非参与観察の課題をやってもらい、最終回に作成したレポートをもとに簡単な報告をしてもらいました。そのプレゼンの際に全員に評価シートを渡し、1位と2位を選んでもらいました。以下課題と結果、各班の簡単なテーマ紹介をします。2つの課題に分かれてもらったので、次にB課題の方。こちらは3グループです。なお、私の感想やコメントについては、後日追記していきます。

B課題(家族関係論演習参加者):花芝町の祭りで、祭りにとって「有意義な」観察をする

1 「祭り」というイベントにおいて何を達成することが目標となるのかを考える。それに照らして、あらかじめ、どういったポイントを観察するか決める(人の流れ、来ている人たちの特徴、ゴミに関すること、接客などなど)。思いつきで決めてもいいが、たとえば、商店街や週末のイベントをぶらっと歩いて観察してそこで気づいたことにする、とか、サービス業やマーケティングに関する本を読んで決めるとか。(つまり、この授業に参加している人たちは他の演習参加者を率いる観察チームのリーダーであるという役割を担うと考えてください)。

2 観察チームは5人くらいなので、あらかじめ5人で誰が何を観察するかを分担しておく。また、観察の際の約束事を決めておく(たとえば数を数えるような観察の場合には、記録のフォーマットを決めておく、とか)

3 一応、タイムスケジュール的には30分は店舗の手伝いなので、残り60分を使って観察する。前半30分で全体観察をして、後半でもう少し絞るとか、修正するなどしてもよい。

4 観察した結果分かったことをA4で2枚程度のレポートにまとめる(参加者各自にそれぞれの分担を書いてもらってそれを集約して、全体のまとめをSR論参加者が書く)。その際に祭りの主催者に対する「提言」的なことを盛り込んでみる。締切は7月27日(金)。

各自、それぞれの班からの5分のプレゼンを聞いて、1位と2位を選んでもらいました。(Bについては1位だけとしていましたがほとんどの人が2位も選んでくれたので、両方。)

1位:3班(16票)
2位:2班(12票)

 なお、1班は1位の方で8票(2番手)、2位の方で5票(やはり2番手)獲得していたので、3者3様という感じでした。

 こちらの課題の方は、お祭りを手伝いながら、空いている時間に観察をする。しかも、SR論を今期はとっていない人に協力してもらってやるということだったので、難しかったと思います。しかも、1回目観察してそこからRQを立てるのではなく、一発勝負なので、あらかじめ、祭りの目標は何かということや、どの辺が観察ポイントなのかということを少し考えた上でやる必要があったかと思います(ただ、実際は時間が結構あったので、とりあえず観察をしてみてから、膨大な量のデータを、うまいことまとめるというやり方ができたのではないかと、レポートを見ていて思いました)。

 テーマの設定の仕方、観察記録の作り方など、3班3様で、1班は堅実なテーマ設定、オーソドックスな観察記録(数を数える)という感じでした。2班は濃密なフィールドノーツ作成で、祭りの雰囲気を追体験できるような感じでした。3班は「祭り」というイベントの内と外との関係を考える、という観点がとてもよかったです。また表情を観察する、他人同士の関わりを見る、などの観察するものの設定がうまかったです。