文化と社会?

希望論 2010年代の文化と社会 (NHKブックス)

希望論 2010年代の文化と社会 (NHKブックス)

文藝春秋 2012年 09月号 [雑誌]

文藝春秋 2012年 09月号 [雑誌]

↑「冥土めぐり」を読むために買いました。鹿島田真希のインタビューもあり。

鹿島田 人間がすごく不幸なのは、国家や社会規模の“公的な不幸”を抱えながら、一人一人に固有の“私的な不幸”を抱えているところです。その公的な不幸と私的な不幸の比重というのは同じだと意識することが、うまく生きるコツかなと私は思います。たとえばいま、東北の震災がニュースでとり上げられたかと思うと、いじめで自殺する子どものニュースが報じられます。この二つの不幸は同じ比重だと考えるべきだと私は思うんです。不幸の大きさは、公的であろうと私的であろうと変わりません。
 私的な不幸を「たいしたことないから」とか「もっと大変な人がいるから」などといって忘れたことにして乗り越えようとするのは違います。「自分の悩みは結構深刻な問題だぞ」と自覚するのは意外と大切なことで、私的なことだから人に相談したりSOSを発するのは恥ずかしいとは思わないほうがいい。大人でも子供でもいっしょです。……。(受賞者インタビューの385頁)。