井上理津子2011『最後の色街飛田』筑摩書房

 某ツアーにむけて読み始める。冒頭から読ませる感じで、現在第三章。第三章には戦前の飛田遊郭にどういった女性たちが、いくらくらいで、どういった事情でやってきた(売られてきた)のか、ということが書かれているが、そこで女性の家に払われる額が、戸主の必要とする額であったというあたりが、婚姻とは異なる形で、戸主制度・家制度を説明する事例になると思った。逆にいうと、戸主権のもとでの婚姻制度は、女郎として身売りに出すということと地続きであるということを示しているとも言える。

1章 飛田に行きましたか
2章 飛田を歩く
3章 飛田のはじまり
4章 住めば天国、出たら地獄ー戦後の飛田
5章 飛田に生きる
6章 飛田で働く人たち