出張の行き帰りで

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

ネットで取り置きしてもらって手に入れ、初日の夜と次の日の朝で1を読了。2日目の移動中と帰りの電車で2も読了。1の後半から2の最初くらいがスリリングで最も引き込まれる。最初は少し退屈かも。2の後半は、なんというかとても気持ちが悪くなってきてしばらくずずーんと気持ちが落ち込んでしまった。読み終えて、全体的に振り返ると、やっぱり気持ちが悪いというか。
 おもしろくないとかダメということではなくて、一応ほめているつもりで、全体的にすごく歪んだ感じのものを見せられた感。あと、絶対に続きがあるよね。無理に物語を終えなくてもよいと思うけど、思わせぶり過ぎるでしょ。
 しかし、これだけ読んだ後気持ち悪くなったのは、阿部和重の山形の田舎で同族同士で殺し合いが続けられる小説、…なんだっけ、以来。

 進化しているのかどうかとか、思想的にどうかとか、相変わらずの女性像とか色々とあると思うのだけど、さすがに読者を引き込む文章の力はすごいと思った。ただ気になるのは、全体的に色々なネタもとを租借して引用しているので、既視感を抱くところが多い点(島田裕巳が言うヤマギシ会はもちろん、エヴァっぽいところとか。神話は同型だということなのかもしれないが)。まあ狙っているのかな。小説・物語とは何か、というのも裏テーマかな。