メモ【公衆衛生】

5章 医療経済の特徴

 医療行為についてのミクロ分析。61ページから68ページくらいにかけて医療費高騰の解析のために行った虎ノ門病院での医者と経済学者の共同調査についての記述あり。1959年、1968年、1973年、1978年という四つの調査時点を取り、ある疾病例(モデル事例)において、診断から治療までどのような医療機器や診断技術、治療技術が用いられ、それらは保険点数換算でいくらかかっていたのかを割り出していくという試み。結果としてはこの期間で同一症例に対して医療費は二倍から二倍半にのびている。

 一般的にいえば、この20年間に医療費は同一症例に対し、2倍から2倍半の上昇をみている。ここには医者の過大な要求も医療サービスのムダも入っていない。この上昇曲線と現実のそれを対比させることによっ>68>て、医療のムダの存在をある程度推定することはできる。日本において、それは1965年ごろまでは薬多投が中心であり、それ以後は検査多用が加わってくる。だが、もし、そうしたムダが存在しなかったとしても、現実の医療費上昇曲線は下にシフトはするものの、上昇カーブそのものは変りははないのである。先進国を一応[ママ]におおっている医療費高騰の波の基礎にあるものは、抗しがたい、医学の進歩、医療技術の進歩なのである(67-68)。

6章 日本の医療

 マクロな財政や医療費のフローについて。

7章 続 日本の医療
 
 薬剤の問題(医薬分業がなされていない。薬価決定の仕組みと差益が生まれるメカニズム)。
 歯科医師の抱える問題(医師会と歯科医師会との自由診療保険診療に対する方針の違いについて、など)
 看護師の労働の問題