頂き物

若者の労働と生活世界―彼らはどんな現実を生きているか

若者の労働と生活世界―彼らはどんな現実を生きているか

 たくさん友人が書いている本。著者の一人からいただきました。まさに「気鋭」ぞろいの豪華な執筆陣で、たくさんの論文を生産していける(そして対外的にもアピールできる)共同体という感じがします。(まだきちんと読んでませんが)最も興味深いのは両著者の書いたものはほとんど読んでいる第9章。貧困やホームレスについて授業で語る際に新しい言葉を与えてくれることを期待します。
 第3章ケアワークはとても分かりやすく、またいわゆる障害者運動系と高齢者介護における参加型福祉論を結びつけた重要な論考とは思いますが、分量のせいか、若干食い足りない感じがします。他、コンビニ、摂食障害なども知り合いなので、普段口頭で聞いている議論がどうなったのか気になります。
 序章、第4章の進路選択と支援なども含めて、全体としては既存の言説を洗った上で、若者の話を教育システムに閉じ込める形ではなくて、社会保障制度全体の中で考えていこうよといった基調になるでしょうか。

脳死と臓器移植の医療人類学

脳死と臓器移植の医療人類学

 ちょっと思い立って読み始めてみました。当たり前ですが、医療人類学は医療の「文化人類学」なんですよね。「文化社会学」的に医療を対象とするとしたらどうなるのか。sociology of sub-culture ではなく、文化社会学なるものによって、福祉や医療に関連するような領域が切り開かれていくことを勝手に期待しています。いや、自分でやらないにしても、考える必要があるような気がします。