うーん

 来週のハラスメント授業に向けて最近の本を買ってみる。

  • 香山リカ2007『知らずに他人を傷つける人たち――モラル・ハラスメントという「大人のいじめ」』ベスト新書
  • 安冨歩・本條晴一郎2007『ハラスメントは連鎖する――「しつけ」「教育」という呪縛』光文社新書

 イマイチ。前者は当然軽い読み物。後者は奇妙な本で、社会を覆うハラスメントを分析し、そこから抜け出す理論、といった内容の本。モラハラって、「答えてちょうだい」とかでもやっていたけど、流行りなのか。結局、人が集えばモラハラが生じる(いくら初期条件がイコールであっても親密な相互作用はハラスメント関係を必ず生む)というような命題を、精神医学的、心理学的に説明するような方向に行っていて、外部のカテゴリーに基づく「権力関係」みたいなものがあまり注目されないという印象。もちろん、ハラスメント現象がより隠微というか、よく分からないものになってきているという認識に対応したものであろうが、古典的なハラスメントを教えることが、少なくとも大学1年に対しては大事なような気もする。