人類学

人類学的思考 (筑摩叢書 (346))

人類学的思考 (筑摩叢書 (346))

 先週末の研究会で人類学の重鎮(と飲んでいるときは知らなかった)にすすめられたので買ってみる。『文化と両義性』なんかよりずっとよい、とのこと。本多勝一からの人類学へのケンカを買って、彼を猛烈に批判している文章があったので、そこから読んでみる。また、アメリカの国家的ラテンアメリカ調査プロジェクト(革命の芽を摘むのが目的)がヨハン・ガルトゥングの批判などによって、おじゃんになったという話も出てくる。立場性を問う議論の走りみたいな感じか。山口はアフリカ研究者であるということを忘れてはいけない。

 最近は、(医療)人類学者系の人たちとの付き合いが多い。現在の(アカデミズムを踏み外さない範囲での)スター小田亮さんの『レヴィストロース入門』なんかも立ち読みしてみたりもしているうちに、何となく人類学者の考えていることが分かって来たような気がする。
 共同体批判とか、行為とかって話は、近代の社会学の構築したものであって、開いた共同体とか暗黙知のレベルの日常的実践を見ることが大事なんだよ、とか、そんな感じのことを言いたいようだ。
 自分がブルデューとかをもっとしっかり読んでいれば、話をすり合わせていくこともできるんだろうなと思いつつ、どんな位置取りをしていいのか今ひとつ分からない。

 そういえば昔は人類学をやりたかったんだなあ。でも、その道に進めてしまっていたらもっと大変なことになっていただろうなあ。