届く【雑誌】【医療社会学】【研究方法】

 『保健医療社会学論集』22(1)の、猪飼周平2011「方法としての『病院の世紀の理論』」は社会科学を志すものにとって必読。やっぱりすごいわ。社会科学の研究方法論としても、何というかそうだよね、というところを言語化してくれていて、大学院生に読んでもらうのにも使えそうである。世間にあふれている方法論なるものがいかに浅薄で役立たないものかということが分かる。「研究戦略」というタームにはなるほど、と。
 ほか、「在宅認知症介護における異なる〈世界〉の出会いと新たなケアの創出についての一考察――「認知症居宅介護研究所」での「ケアするもの」の語りから」という研究ノートあり。うーん、もうこういうのはいいかなあ…。
 後は、川口有美子さんの熱い文章あり。私は色々と事実経過が読めて面白かった。

 あ、でも追記すると、猪飼さんの論文は、ある程度研究をやったことが無いと分からないかもという問題はあるかなあ。それでも、何たら法や何たらアプローチを使った、みたいな論文(医療系のフォーマットだからその形式そのものは仕方ないのではあるが)が多く載る雑誌に掲載されたのはよいことだ。