メモ【保健医療福祉政策論】【医療社会学】【健康科学概論】

現代思想2010年3月号 特集=医療現場への問い 医療・福祉の転換点で

現代思想2010年3月号 特集=医療現場への問い 医療・福祉の転換点で

インタビュー「医療的ケア」が繋ぐもの 杉本健郎・立岩真也
病苦、そして健康の影 医療福祉的理性批判に向けて 小泉義之
海図なき医療政策の終焉 猪飼周平
家族の余剰と保障の残余への拘留 戦後における老いをめぐる家族と政策の(非)生産 天田城介
精神医療に代わるもの フランコ・パザーリアと精神病院廃絶の思想 美馬達哉
人工内耳は聴覚障害者の歌を聴くか? 上農正剛
ヒポクラテスの切っ先 吉野靫
爛熟する生権力社会 「臓器移植法」改定の歴史的意味 小松美彦
新薬開発 貧しい人々を除外すべきか? T・ポッゲ 的場和子訳
南の国々から広がる地球規模疾病負荷(GBD)との闘い 斉藤龍一郎
予防接種という〈衛生〉 種痘の歴史の反照から 香西豊子
医療的ケアに踊る ALS-D 08-10 岡本晃

パラパラとしか読んでいないが、猪飼周平さんの論文「海図なき医療政策の終焉」がよい。近刊の単著の紹介エッセイのような位置付けの論文かな。社会的入院の話とか、医療システムの国際比較の話とか、日本の医療システムを講義する際の指針となりそう。

出版社サイトより。
 

20世紀の日本の医療システムを理論的・歴史的に位置づける力作。現代人がイメージする「病院」での治療などの価値,機能,制度は,20世紀に導入され,作られたものであることを明らかにし,これからの医療に必要な歴史的視野にたった政策展望を提示する。 20世紀の医療は,その中核をなす制度としての「〈病院〉の世紀」であった。そして,医療システムが「生活の質」に結びつけて評価され,地域社会に戻りつつある現在,その「病院の世紀」は終焉を迎え,日本はいま医療システムの1世紀ぶりの大きな変動期に入っている。

序 章 病院の世紀と医療政策の長期的展望
第1章 病院の世紀の理論
第2章 所有原理型医療システムの原型
第3章 専門医化する日本の医師
第4章 医療の社会化運動の時代
第5章 開業医の経済的基盤と公共性
第6章 病院の世紀の終焉
第7章 治療のための病床
第8章 医局制度の形成とその変容

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641173590