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虚構の「近代」―科学人類学は警告する

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ラトゥール、あやしげだけど面白い。

家族介護への現金支払い―高齢者介護政策の転換をめぐって

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出たんですね。勉強しなくては。

「社会的入院」の研究―高齢者医療最大の病理にいかに対処すべきか

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これもGW頃締め切りの原稿のお勉強用に。

ロスジェネ 別冊 2009―超左翼マガジン 女性と貧困

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 『エロスジェネ』に対する上野千鶴子のコメントとして下記。

上野 …(中略)…。一番大きい疑問は何かって言うと、この本の宛て先が誰なんだろうっていうのがわかんないこと。どんな文章でも、どんな本でも、誰かに宛てて、誰かにメッセージを届けたいっていう相手が、念頭にあるものだと思うけど、これを読んでそれが見えにくいのね。それをご本人に、ぜひ聞いてみたいと思いました。
 たとえば、『フリーターズフリー』。この本は宛て先がわかってる。自分と同じ立場の身内なんだよね。はっきし言って、内向けに自分たちのなかで話をしている。でもそれはそれでいいのよ。自分たちの読みたい本をつくる、自分のメッセージを自分たちが発することのできる既存の媒体がないから自分たちでつくったっていう、自助努力の本だから。
 私たちがずっとやってきた『女性学年報』って雑誌があります。地味な本だけど、今年で30号になる。30周年ね。これだって、女性学を始めたときにはどこにも論文を載っけてくれそうもないから、勝手に「女性学」を名のって出したもの。だから自分たちが読みたいメッセージを自分たちが書く、自分たちに向けて自分たちのメッセージを発する媒体をつくったわけよね。
 もう一つ持ってきたのは『思想地図』。この宛て先は何かって言ったら、おやじ逆啓蒙って言うか、「おまえら、聞きたきゃ、立ち聞きしてもいいぜ」っていうノリ。商業出版社もついてるしね。これはこれでOK。
 つまり、私の言いたいことは、内向きだってことが悪いんじゃなくて、自分たちが面白いと思い、自分たちが聞きたいと思い、自分たち自身が宛て先であるようなメッセージを、もともとの宛て先じゃなかった読者が立ち聞きしたときに、「おお、かれらはこういうことを面白いと思っているのか」という発見をすることによって伝わる面白さを、味わいたいということ。
 そう考えると、私はどうもこの本の宛て先がわかんないんだ。誰に宛てられたんだろう。増山さんが編集長だって言うけど、じゃあ私は宛て先に含まれるんだろうか。それともたとえば秋葉原無差別殺人事件の容疑者、K君が宛て先なんだろうか。K君にこれを読ませたいんだろうか。K君にこれを読ませたらK君は救われるんだろうか。で、K君を救済したいとほんとうにあなたは思っているんだろうか。というふうなもろもろの疑問が湧いてくるの。それが一番聞きたかったことの一つね(55頁)。