忘れてた

NHKブックス別巻 思想地図 vol.3 特集・アーキテクチャ

NHKブックス別巻 思想地図 vol.3 特集・アーキテクチャ

これも買ってた。結構するすると読めて、ほとんど読んでしまった。最初のシンポで浅田彰がこれまでの思想の流れをまとめながら「アーキテクチャーとかいう問題設定ってぜんぜん新しく感じないんですけど」ってところから入ってどうなるかと思ったら、途中から、「いやおもしろい」とかいう風になって、しかも、電車の時間で帰ってしまうw。一方で宮台真司は「このシンポは失敗だ」と我が道を行く議論を展開しつつ、攪乱に入るがタイムアップ。やっぱりこの辺の人たちのゲームの支配力は強いよね。磯崎新もシンポジストの一人だが、そういえば昨日まで日経新聞の「私の履歴書」に連載していた。

 安藤馨「アーキテクチャと自由」での、アーキテクチャ的な支配を肯定するという議論が、スリリングでおもしろかったけど、当たり前なのかな。
 鈴木謙介「設計される意欲」は、「監視批判はなぜ困難か?」での「監視」そのものを批判できるのか?という問題設定の仕方(確か)と似ていて、「やりがいの搾取」は(本田由紀のように簡単に)批判できても、「「やりがい」を提供する環境」(の設計)は果たして批判できるのか(どういう風に考えていけばよいのか)という問題設定。ちょっと先に書くことになるケアワーク論みたいなものの参考になるかもしれない。ケアワークの場合、明らかに、やりがい搾取論(阿部君の議論のような)のリアリティが強い訳だが。
 あと、原武史・北田・東鼎談は、東急の戦略の話など、豆知識になっておもしろかった。



精神科医は腹の底で何を考えているか (幻冬舎新書)

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 楽しみ。深夜のお供に。