いただきもの

過去を忘れない―語り継ぐ経験の社会学

過去を忘れない―語り継ぐ経験の社会学

執筆者の一人から。
4、5人知っている人が寄稿している。「忘れる」とはどういうことだろうか。語り継ぐことができなくなったとしても、澱のように溜まってしまってどうしようもないことがある。社会的忘却≒語り継がれなくなること、か。(内容とはまったく関係なし)。

「死の臨床における世代継承性の問題――ある在宅がん患者のライフストーリー」を読む。「継承性」という語の内実が今ひとつわからなかった。だが、事例の迫力はなかなかすごい。宗教や信念みたいなものを強く持っている人のストーリーは面白い。調査者の驚きのようなものを分析に取り込むというやり方について、今まではピンと来なかったが、この論文のような感じだったら理解できる。自分も普段経験しているが論文には全面に出して書かない「驚き」の部分を、データとして出して分析の対象とするというような感じか。