諸々(仕事用)

福祉化と成熟社会 (講座・社会変動)

福祉化と成熟社会 (講座・社会変動)

ミネルヴァのこのシリーズ装丁何とかなりませんか。福祉化ってなんじゃらほい。

社会の見方、測り方―計量社会学への招待

社会の見方、測り方―計量社会学への招待

社会を読みとく数理トレーニング―計量社会科学入門

社会を読みとく数理トレーニング―計量社会科学入門

『計量社会科学』の簡易版なので重複が多い。教科書だから解説を前提としているのだろうけど、ちょっと解説で不親切なところが多くないかい。あと、社会調査の教科書とは明らかに組み立て方が違う。こんなところにこんな話題が入るのか!ってのが結構多くて、切り取り方の違いが勉強になる。

計量社会科学

計量社会科学

 いつの間にか上智に移られていたのですね。今更ながらの勉強のために。4章「社会統計」から読むと、とっつきやすい。統計の歴史みたいな話題から、相関係数や独立性の検定に入っていく。

必要と資源の話のところが、講義で使えそう。

以下は、はまぞうで出ない。

  • 中川米造監修・波平恵美子編1992『人類学と医療(講座 人間と医療を考える4)』弘文堂
  • 佐藤郁哉2006『定性データ分析入門――QDAソフトウェア・マニュアル』新曜社…こういう方法論の本を見ると買いたくなってしまうのは受験参考書と似たところがあるな。幻想を持ってしまってはいけないが、佐藤郁哉さんだから買ってみた。
  • 市野川容孝2006『社会 (the social)』岩波書店…ようやくキター。じっくり読もう。

社会 (思考のフロンティア)

社会 (思考のフロンティア)

 Ⅱの1章のルソーを経て、2章で仏、英、独、日の「社会科学」の系譜を追っていくところがスリリングで面白かった。マルクスを批判して、トムソンを持ち上げているのだが、その作業を通じて、著者の言いたいことは、以下か。

今でもそうだが、社会科学というものを最も遅れて、しかも輸入という他律的手段によって知った日本の知識人には、18世紀の政治経済学に対する批判のすべてはマルクスに集約されているのだから、マルクスが批判した他の政治経済学批判=社会科学は読む必要がない、読むに値しないと決めつける傾向が見られる。だが、19世紀のヨーロッパの思想地図において、マルクス主義は、確かに最も有力なものとはいえ、社会科学の一つにすぎない。それ以外の様々な社会科学が、政治経済学批判という太いベクトルをマルクス主義と共有しつつ、多重で分厚い層を形成していったのである。冷>193-4<戦崩壊後もヨーロッパにおいて、政治的言葉としての「社会」が衰滅しない一つの理由も、おそらくここにある。それに対して、日本の状況は、たとえて言えば、最新型だと思って買った製品がぶっこわれたので、幻滅と憤怒にかられつつ、それとは全く別の規格品に一気に乗り換える、思慮の浅い消費者に似ている。ぶっこわれた最新型の製品とはマルクス主義であり、他方、別の規格品とは(カタカナ語の)リベラリズムであり、場合によっては18世紀の政治経済学の最新版である新古典派の経済学である。このぶれの激しい極端な思想的消費行動によって、「社会」という日本語もまた極端に痩せ細っているのである(194-3)。