作用(action)はすべからく反作用(reaction)

黒い皮膚・白い仮面 (みすずライブラリー)

黒い皮膚・白い仮面 (みすずライブラリー)

 昨日、障害者のドキュメンタリーを作っている人と話しこむ機会があり、そのとき、障害者運動が、どこまでの差別を問題にしているのか、個人の内面までを問題にすることが正しいのか、というようなことを話されていた。ファノンの本は参考になるかな、と思い、積読中のものを読んでみる。

 いわゆるアイデンティティ・ポリティクスと、介助保障的な運動との区分をそれほど考える必要がなかったであろう世代と、現在の若い世代とではかなり経験が異なることは確かであろう。「敵」が分かりにくくなってしまった現在の方が、ある面ではキツイと言えるのかもしれない。

 しかし、介助保障的な側面においても、もちろん、まだまだやることがあるのは確かだし、障害者が、まずは「反作用」として行為を起していかざるを得ない位置にいるということは、考えていくための前提として忘れてはならないだろう。

 ファノンは、最初はとても読みにくいと感じていたのだが、読んでいるうちにどんどんリズムに乗ってくる。


老人介護 常識の誤り (新潮文庫)

老人介護 常識の誤り (新潮文庫)

 とうとう文庫になったのねん。とりあえずこのまま突っ走っていって欲しい。