代替医療など

 最近は本当に本が読めなくなっている。広井良典さんは、アメリカの医療制度などをしっかりと調べたかつての著作はとても良いと思うが、「ケア学」とか時間論は、うーん、だと思う。だけど、政策、科学論、現場とつないで対話できる人はあまりいないはずで、非常に分かりやすい語り口の人だと思う。そんな、ラザースフェルトが言うところの「ミドル・マン」としての長所がよく出た本ではないか。

 最近お会いしていない辻内さんとの代替医療についての対談、諸富さんとのトランスパーソナル心理学についての対談あたりを読む。
 辻内さんの、西洋医療に対比される東洋医療の隆盛ではなく、アメリカ化の一環としての代替医療の隆盛、という指摘はなるほど、と。また、ベッドがたくさん並んだ鍼灸院の現状は、果たして東洋医学なのかという指摘も。早く復活して、もっと論文書いて欲しい。


 冗談のような報告書が届く。自分のところはあまり見たくないが、本当に本にするの?少なくとも、履歴書にタイトルと出典だけは書き加えて、本棚の奥にしまうこととしよう。